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母親が、いたずらをした子どもを叱ったときなど、突然「お母さんなんか大嫌いだ」などと叫ぶ光景を見たことはないだろうか。 これは、子どもが母親を愛しているからこそ、思わず出てしまう言葉なのです。 大人でも一緒ですが、愛していれば、相手に対する要求が過剰になって、あれもして欲しい、これもして欲しいと思う気持ちが強まるものですが、この相手に対する要求というか欲求が満たされなくなったときに、そのもどかしさから、一時的に「愛していること」が裏返しになって、「大嫌い」ということになるのです。 特に小さい子どもはお母さん一筋であるため、お母さんに対する愛は強いのですが、自分の欲求が適わなかったときに、反対の言葉となって発せられます。 夫婦互いの間にも、このような「愛」の裏返しの「大嫌い」が日常的に起こっているものです。 子どもは、その「大嫌い」を口に出して感情を発散するため、その時点で気持ちが収まって、もとの「大好き」にもどっていますが、大人の場合には、「大嫌い」を口に出したかどうかは別として、心の中に思ってしまうと、いつまでもその思いが心の中に残ってしまって、それをうまく外へ吐き出すことができず、かえって自分自身を苦しめてしまうのです。 もし、夫婦間で、「大嫌い」という思いがあれば、それは「大好き」なんだと思い返して、早く「大嫌い」という思いを自分の心から放してしまうのが良いです。 また、人は絶望感に陥ったときには、悪のささやきに耳を貸してしまい、つい犯罪の誘惑に負けてしまうことがあります。新聞記事に出ている若い者の事件などは、ほとんどが親の愛情不足と絶望感が引き金になっています。 子どもには未来への希望と、それを達成できるだけの能力があることを常に言って聞かせて自信を持たせることが大切です。 そのためには、絶望感を持たさないように、親は子どもに対して十分理解力を持つ必要があり、子どもにとっての最大の悲しみは、「親は私を理解してくれない。私を分かってくれない」と思うことです。
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