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人間というのは、ちょっとでも心が緩んで油断しますと、悪いほうに悪いほうに流されていくものです。それだけ、人生は常に緊張感を持って、善徳を積むようによほど努力しないと、悪事に走ってしまうようです。 とくに子どもは人格が未発達であるし、魂の発達もまだまだ進化途中であることを考えますと、「朱に染まれば赤くなる」というように、悪い友達などと付き合ってますと、すぐに言葉遣いは悪くなりますし、礼儀作法なども忘れてしまうものです。 「小人閑居して不善をなす」という言葉がありますが、あなたの息子さん、あるいは娘さんに、好きなだけお金と暇を与えて、自由気ままに生活させてごらんなさい。 どうなると思います。 このような状態で自由放任にしますと、大人でさえ悪の誘惑にかられるのに、子どもであればなおさら、必ず何らかの悪いほうに向かって堕落していくのは目に見えています。 まさに「小人閑居して不善をなす」という言葉通りです。 子どもの精神的発達が未完成である間は、正しく教え導かないで、自由奔放で気ままにさせておきますと、良い方向に向かうことはないものです。 ある意味で、子どもの活力は大人よりも旺盛であふれるばかりの気力を持っていますが、その活力を良い方向に向かわせるには、正しい教育が必要なのです。 ちょうど、立派な船を持っているのに、その船に乗ってかじを取っているのがズブの素人のようなもので、これでは船は海の荒波や嵐を乗り越えて、無事目的地にたどり着くことができないようなものです。 ですから、その船が積み荷を運ぶのを目的にしているのなら、その積み荷の何と何を、どこの港にいつ降ろし、そして、別の積み荷は、次の港でいつ降ろすという指示を的確に船長に指示しなければなりません。 そうすると、船長もヒマを持て余している余裕などがなく、自分で航海術を勉強するなどして、安全な後悔ができるように努力すると思いいますが、これと同じで、子どもさんにも、正しい教育を施して、人生行路を無事乗り切れるようにしてあげるのが親の務めです。
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