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子どもを過保護にしたり溺愛することを「母慈滅子の弊害を招く」といいますが、このような状態で子どもを育てますと、子どもが社会に出て一人前に仕事ができず、なにごとも人を頼って自立心がなくなり、社会で役に立たない人材になります。 子どもが社会に出てお互いに協調しながらやっていくためには、自立心が必要です。 いつまでも母親に縋っていないと安心できないような状態で育てることは、本当の母親の愛情ではありません。 幼児期から、抱く習慣をつけて、泣くとすぐに抱くような習慣をつけていますと、依存心のみが増大し、利己的で口でいくら偉そうなことを言っても、内面は相当弱く、社会に出て一人で生きていけないような子どもを作り出すことになります。 家庭内だけは、大事に大事に育てますので、内では我がままし放題となって内弁慶で家族の者を困らせます。 外では、自立心がないため、いつも他人に負けては泣きべそをかき、意気地のない子どもとなります。 少なくとも、独立自尊の精神をもって、他人の痛みを知り、他人を愛する心を持たすためには、幼児期には、授乳のとき以外は、いくら泣いてもお乳を上げないことであり、抱きくせをつけない習慣にすることです。 できるだけ自分のことは自分でさせ、親はそっと見守るのが良く、なんでもかんでも手を出さないことです。子どものケンカによく親が出たりしますが、あれなども放っておいて、自分で解決するようにしつけることが大切です。 そして、我慢したり忍耐したりして、どんな困難にもひるまないように教育することが大切です。 そのための第一歩として、親としてやらなければならないのは、溺愛しないことです。 母性愛は、ただ舐めるように可愛がって溺愛する傾向がありますが、これは真の子どもに対する愛ではなく、溺愛ですので、真の愛と溺愛を勘違いしないことが大切です。 真の愛は、適度な厳しさがあるものです。
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