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迷いが深いから、占いも流行る






★迷わないためには、感じる力を磨き、自分なりのブレない座標軸をしっかりと持つことなのです。

女性は占いが好きです。占いの好きな若い女性に聞くと、新しい占いが次から次と登場し、実にたくさんの種類の占いを雑誌やテレビや携帯電話のサイトなどで見ることができるそうです。

女性が占い好きなのは、女性の幸せは男性次第という男まかせの生き方を昔から求められてきたからではないでしょうか。占いに頼る気持ちは基本的に、依存心の強さとそれゆえに自分で判断できない迷いから起こるからです。

占い師はテクニックを使ってどこをとってもOKという答えを出します。「あなたは気が強そうだけど、ほんとうは弱いでしょう」と言えばどんな人にも弱い部分はあるし、「しっかりしているけど、ヌケているところもあるでしょう」と言うと完璧に抜かりのない人はいませんから、「ああ、当たっている」となります。

占い師は誰にでもある共通の要素をしっかりつかんで、どっちをとってもいいようにしゃべるのです。

もっとも中には、心理学や統計学レベルの占いを越えてその人独自の感じる力を使ってみる人もいます。そういう占い師は、右か左か悩んでいる人に対して何か聞かなくても直感的に「あなたは右に行ったほうがいいよ」とわかります。

政治家や経営者が占い師に頼るという話をよく聞きます。祈祷師や占い師は大昔から権力者をサポートする役割を担ってきたという伝統もあるのでしょうが、おかしなことです。最後の最後のところで重大な決断ができずにアドバイスをもとめたりするわけです。

人の上に立っているからといって、人より視野が広くものごとがはっきり見えるわけではありません。彼らのところには値打ちのある情報がたくさん集まっているはずですが、それでも判断するには限界があるということのよい例だと思います。

経済評論家やエコノミストと称する人たちの予想も、今や占い師の「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の世界と変わりません。経済が右肩上がりの時代は大きな流れを踏まえて予想ができたので、たいがいのことは当てることができました。

マニュアル化されていることや既成の知識のものであれば答えは簡単に得られますが、今は従来の常識や判断を超えたことが次々と出てくる時代です。従来の発想では対応できないのです。

★これから先、混迷と混乱の時代は長く続くでしょうが、そういう時に頼りになるのは情報でも知識でもなく的確に感じ取る力なのです。情報は身の回りに膨大にありますが、それを当てにすれば迷いはいっそう深くなります。



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