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日本の昔話はさまざまな教訓を語ってくれていますが、その中には人間の欲をテーマにした話も少なくありません。 「舌切り雀」の話もそうです。 中に何が入っているのかわからないツヅラを前にして、欲深いお婆さんは大きなツヅラを選び、もう一人の欲のないお爺さんは小さなツヅラを選びます。しかし見かけとは反対に大きなツヅラには宝どころかムカデやヘビなどの気味の悪い生き物が入っていて、小さなツヅラのほうに宝物が入っていたのです。過ぎた欲を持つと運が来ないという教訓をこの話は与えてくれます。 ところで、今の人はこの欲深いお婆さんと同じで、大きなツヅラばかりを選んでいるように思えます。 大と小という分け方で見ていくと、そんな小をなおざりにして大にばかり向かっています。家庭より仕事を選ぶサラリーマン、身近な幸せより大きな夢ばかり追い求める若者、子供のことよりファッションや美容や自分の楽しみばかり求める母親、みなそうです。 ★たとえば、「夢は大きく持て」と言いますが、夢は小さく持つべきなのです。夢というコトバにすれば何でもいいように聞こえますが、現実感のない夢は妄想でしかありません。 自分が5のレベルにあるのに100のレベルの夢を持っても意味がありません。意味がないどころか、今とかけ離れているために現実がなおざりになってマイナスになります。5のレベルであれば、8のレベルの夢を持てばいい、8を達成すれば次は12とか15くらいを目指せばいいのです。 インドで慈善活動を生涯ささげたマザー・テレサのコトバがあります。彼女は「私はたった一人しか助けられない」と言うのです。はじめから大勢の人を助けようとは思っていないのです。 一人を助けることができれば、もう一人を助ける、その人を助ければ、次にもう一人を助ける、そうやって「もう一人」の連続を無限に続けて行くという意志がそこにうかがえます。 マザー・テレサの行為は偉大ですが、彼女の視線は絶えず小さなものに向かっていたのです。 現代社会は大きなものばかりが注目されたり評価されるところですが、その裏側で小さいものを粗末にしたり見落としてきたからこそ、人々の不安感や不幸感が増していることを忘れてはいけません。 大ばかりに向かうと大きなツヅラを選んだお婆さんのような結果になります。もっと小を見て大事にしていかないとほんとうの運はやってこないでしょう。 ★「夢を大きく持つ」のは、けっしていいことではない。 |
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